演劇興行に見るブランディングと顧客感情

こんにちは、ゆきです。

先日、ある舞台を見に行きました。

その舞台の演目は、
某人気コンテンツのタイトルを冠した内容。

比較的新しい作品なのですが、

今回は、キャストさんが2代目になって
はじめての公演。

その初日でした。

もともと、初代キャストさんの頃から
その舞台をずっと見ていて、
DVDも買ったり、
劇場上映版も見に行ったり、

ずっと大好きだったんです。

キャストさんの演技も良いし、
舞台演出も、振り付けも見事だし、
シナリオも原作にないことまで描いて、
時にはオリジナルキャラクターまで登場して、
かなり意欲的に作られていました。

舞台だからこそできる、
シナリオ、演出、振り付け、演技。

クリエイターの本気が詰まった、
挑戦的でアツイ舞台だったんです。

それが大好きで

キャストの皆さんが入れかわっても
スタッフの方が変わらない限り
応援しようと思ってました。

「…ました。」

そう。

過去形。

なぜかというと、

今回始まった公演のシナリオが、
原作から1ミリのズレもない、
予定調和の物語だったからです。

いやいやいやいやいや。

あの挑戦的なシナリオどこ行った!?

つい半年前までオリジナルキャラクターいたよね!?
むしろオリキャラの方が人気出てたよね!?!?

え?なんか知ってる話しかしないけど…

これ、90分でどうオチつけるの…?

つか…ない!オチがない!

マジで原作そのまんまやりよった!!

はー!?舞台観に来てる意味ないんだが!?

私の好きだったあの挑戦的なシナリオはどこー!?

↑もう上演中は頭の中が大パニックw

恐ろしいことに、脚本家の人はそれまでと変わってないんです。
原作側の意向があったのかなと、邪推しちゃいますね…
(一個人原作ではなく企業が作ってる作品で、元々揺らぎがある内容なので、別に舞台は舞台でいいじゃんと思ったり…ぶつぶつ)

 

はい。

これをビジネス的に解説するとですね。

せっかく積み上げてきた顧客との信頼を、
安易なブランディング変更を行ったことにより
制作側がガッシャーンと壊したっていうことです。

いままでその商品が好きだった顧客は、
今回の方向転換でほぼ振り落とされました。

例え話でも解説しましょう。

・マックが急にメニューのすべてを「健康志向」に変えたら?
・パークハイアット東京が突然「1泊4,500円プラン」を打ち出したら?
・ディズニーランドのキャストがTシャツ姿でやる気なさげに雑な仕事をしてたら?

夢も醒めるほどガッカリしますよね?

もし商品の方向性をシフトチェンジしようとするなら、
相当気を遣って、
時間をかけて周知・教育をして
顧客感情を納得させたうえで推し進めなくてはいけない。

商売とは、人間心理を制した者が勝つゲーム。

感情を粗末にするものは、感情に泣かされるのです。

 

タイトルとURLをコピーしました